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2007年11月30日

2007年11月30日 (金)

浅草並木薮蕎麦

Yabu02

もり蕎麦を食べるときは、蕎麦の先だけつゆをつけるのが正しい。
などと言うが、つゆが濃いものは、そうでもなければ食べられない。
蕎麦自体の風味を味わってもらいたい・・・と言う食べ方なのであろう。
ただし、蕎麦自体が美味しくなければ、食えたもんじゃない。
そのもっともたる店が浅草並木薮蕎麦である。
ここは、とにかく力いっぱいつゆが濃い。
これが代表的な江戸そばである・・・わけもない。ここがそうなのだ。
ここの店は古くからこういう スタイルを貫き通している。
そのわりに、庶民的である。

蕎麦を芸術などと言う職人は勘違いもいい所である。
蕎麦は江戸の頃から庶民のおやつであり、酒のおつまみである。
美味しい蕎麦であれば、客も喜ぶ。

浅草並木薮蕎麦 ・・・と言えば、故 堀田平七郎氏(二代目主人)である。

Hotta

堀田さんに師事した職人は友人にもいる。
蕎麦のことなど、わたしにゃさっぱりわからないが、故親父が堀田さんと
仲が良かった。
奇麗な江戸弁で話す店主に「粋」と言う言葉を実感したのは、
この人である。
花柳界や歌舞伎役者が話す、あの江戸弁だ。

たとえば「 美味しんぼ 」で紹介された通りの人で、
こだわりがあって、ない。
こだわりとは自分の仕事に対してのこだわりである。
とてもきびしい人だったらしい。
ない・・・と言うのは隠し事をしない。全部出しちゃう。
そりゃ企業秘密とも言えるものまでもである。


職人修行と言うものは、よく「見て覚えろ」と言う。
実戦で覚える、技は自分で盗め、と言うことであるが、現代的に言えば
「教えるのが下手」とも取れる。
企業では育成の出来ない上司は認められない。堀田さんは手取り足取り
教えてくれたらしい。

修行した友人は、こう言った。
「師匠はなんでも教えてくれる・・・くれるけど何年経っても出来ない」
わたしゃ、1つの異なる職人魂を聞いた思いだった。

Yabu01

昔、親父と話していたことをふと思い出した。
「文化を伝えたい・・・なんて大げさなことでもないねえ。
隠すほどのたいそうなものなど、この世にゃほんの少しだと
思ってましてねぇ」

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